バトンを渡す
PADI®は、人類と海のバランスを回復させ、望ましい未来を実現するために重要な役割を担っていることをご存知でしょう。現在、私たちはサスティナビリティ、温室効果ガスの削減、ゴミの除去、絶滅危惧種の保護に向けて上昇のカーブを押さえています。私たちは前進しており、PADIの人々が海を守るために発揮する情熱、献身、努力には常に驚きと喜びを感じています。
世界中の何百もの場所で、PADIプロフェッショナルとダイバーは、PADI AWARE™イベント、クリーンアップ活動、海の問題に関する地域への働き掛けへの啓発などの活動を日々支援し、参加しています。同じビジョンを持つ人々と一緒になって、PADIの人々は声を一つにして、海との関わり方にポジティブな変化をもたらすために、政府や産業界などに地域的、世界的に発言して提唱しています。ダイビングと水中世界への愛を他の人々と共有し、これらの努力を加えてPADI Torchbearer™コミュニティを拡大しています。
海を守るためのレースはペースアップしています。しかし、これは駅伝であることを忘れてはいけません。つまり、私たちは今、自分の足で走っていますが、このレースは次の世代にバトンを渡さなければ勝てないのです。カリフォルニア州のスタンフォード大学の専門家が指摘しているように、環境状況の軌道修正は、クリーンでサステナブルな未来のために必要な知識と行動を若者に教えることにかかっています。子供たちにリサイクルや電気自動車(EV車)の運転を勧めるだけではなく、海洋生態系や環境がなぜ、どのようにあらゆるものと融合しているのかを理解してもらわなければなりません。進歩を妨げることなく、環境危機を恒久的に解決するためには、社会科学、政治、工学、都市計画、国際関係、さらには芸術など、子供たちが学ぶ分野に、幼児教育レベルから生得的な理解を織り込んでいく必要があります。
これにはPADIという組織の役割が絶対にあります。
指導心理学によると、人は何かを学ぶことがなぜ重要なのか(IDCで教えられている価値)を理解すると、それを学び、学んだことに基づいて行動しようとする動機を持つと言われています。価値が緊急で重要であればあるほど、このモチベーションは高くなります。
もしあなたが私のように幼い頃からダイビングを習っていた人ならば、海の価値を若者の心に定着させる最も直接的で強力な方法は、海を見せることだということを知っているでしょう(もちろん、大人にも同じことが言えます)。一度その愛が誰かの心に入ると、それは彼らの心に残ります。彼らは海に戻りたいと思うだけでなく、もっと知りたいと思うようになります。海がすべてのものに影響を与え、すべてのものが海に影響を与えていることについての教育と相まって、生物学者になろうが銀行員になろうが、今日の若者はすべての行動において海のことを考える大人に成長することでしょう。
今号のThe Undersea Journalでは、若者のダイビングへの参加に関する記事を特集しています。ダイビングに参加することは、若者の知的・身体的な発達を促し、包括的な社会的イベントに参加させ、モバイル機器を手放し屋外で活動させ、家族の絆を深めることにつながります。また、ダイビングとのつながりは、リスクを抱える10代の若者を正しい方向に導くことができると言われていますし、何より子供たちはダイビングが大好きです。これらを見ても、ダイビングプログラムに若者を積極的に参加させることには十分な理由になるでしょう。
長期的には、私とあなたがPADIトーチベアラーのバトンを渡すときに、それを受け取る人がいることが一番の理由かもしれません。懸命に、速く、長く走る意欲のある人へと。
グッドラック、そしてよい教育と良いダイビングを!


