PADIプロメンバーの皆さまへアンダーシージャーナル2022 Q4トピックスの掲載をしています。ピックアップには #USJ2022Q4 とタグ付けします。今後読み直す際には、検索欄にこのハッシュタグ(#USJ2022Q4)を入力し検索してください。

一説には世界人口のうち13億人が障がい者だと言われており、その世帯の年間推定可処分所得は現在8兆ドルで、毎年14%ずつ増加していると推察されています。(参考:https://www.incluserve.net/)

しかし、この市場に対応する戦略を持っているのは、ダイビングビジネスはもとより、全ビジネスのわずか4%にすぎません。身体的、心理的、精神的な課題を抱える多くの人にとって、アドベンチャースポーツは手の届かないものに感じられるかもしれません。しかし、ダイビングに関しては、そのようなことはありません。

PADIでは、前提条件を満たせば誰でもダイビングに挑戦することができ、海の持つヒーリング効果によって人生が良い方向へ向かったというストーリーで溢れているスポーツです。オープンなコミュニケーション、信頼関係の構築、現実的な目標設定など、総合的な指導指針を整えれば、ほとんどの人がダイバーになることができ、私たちと共に海洋保護の志を持つ人たち(トーチベアラー)のグローバルネットワークに参加することができるのです。

PADIが掲げる「変化のための柱」の3つ目の「人と人間性」は、私たちPADIプロフェッショナルが包括性を育み、すべての人々を水中世界へ迎え入れるべきであることを示しています。そこで、“PADIアダプティブ・サービス・ファシリティ”という新しい呼称を作ることで、慢性的にサービスが行き届いていない、本質的に未開拓の市場に参入しようとするすべてのPADIメンバーにとって、明確な道筋を立てました。

PADIアダプティブ・サービス・ファシリティとは何ですか?

PADIアダプティブ・サービス・ファシリティとは、身体的、心理的、精神的な課題を抱えるダイバーのニーズを満たすために、包括的な運営サービスとインフラを提供するPADI加盟店のことです。

具体的には、アダプティブ・ダイビングのテクニックやサポートについて特別なトレーニングを受けたスタッフ、アダプティブ・テクニックやアダプティブ・サポートについてもっと学びたいレクリエーション・ダイバーのためのトレーニング、利用しやすい店舗や教室スペース、利用しやすいプールやボートデッキがあることを意味します。

この認定は、ダイバーがセンターに電話または到着してから、1日の終わりに帰宅するまで、すべてのダイバーに包括的な体験を提供し、それ以上のことを行うPADIメンバーにのみ与えられるものです。

an adaptive diver poses for the camera underwater in front of a wreck in Thailand

なぜアダプティブ・サービス・ファシリティになるべき理由とは?

アダプティブ・サービス・ファシリティ(ASF)になると、多くの利点があります。まず、PADIダイブショップロケーターに掲載され、だれでも利用できるダイビングとトレーニングを提供する世界的なトップセンターの1つであると掲載されます。

第2に、これは素晴らしいビジネスチャンスであり、ダイビングアクティビティに参加したい友人や家族と旅行する全く新しい顧客グループを開拓できる可能性があります。グループのメンバーは皆、ダイビングを続けたい、ダイビングを学びたい、あるいは友人や家族のバディになれるようアダプティブ・サポート・ダイバー・トレーニングに取り組みたいと思うかもしれません。

この認定により、同じ理念と顧客志向を持つPADIメンバーのグローバルネットワークに参加することができ、グループ旅行の企画に関心を持つ人たちに新しいつながりと機会を提供することができます。さらに、障がい者向けの旅行会社は、ゲストが安全にダイビングを楽しめる旅行先を容易に見つけることができます。

今後、PADIは、ダイビングをだれでも平等に楽しめるスポーツとして位置づけ、PADIのアダプティブ・サービス・ファシリティのネットワークを普及させるため、ホスピタリティ団体や旅行代理店と積極的にパートナーシップの機会を探っていく予定です。

a dive instructor helps an adaptive diver get ready to go scuba diving at the side of a pool

アダプティブ・サービス・ファシリティになるには?

認定を受けるには、以下のことが必要です。

  • 100%PADIであること(ただし、PADIプログラムを修了できない人(例:PADIが定める従来のメディカルチェックでは受講対象外となる場合など)に対し、IAHD、DDI、HSA、または同様の障がい者向けトレーニングを提供する場合は例外となります)。
  • 少なくとも1名のアダプティブ・テクニック・インストラクターが在籍していること
  • 使いやすい以下のような施設を提供していること
    • 車椅子ユーザーと視覚障がい者の両方が利用しやすいエリア
    • 適切な座席レイアウトと、立ち座りのためのサポートがある教室
    • 適切なトイレと更衣室の設備
    • ランプ、リフト、その他の設備を備えたプール、またはボートやビーチダイビングなどのオープンウォーターサイトへの適切なアクセス手段(砂や岩の上を移動する水陸両用の車いすなど、多くのオプションがあります)
    • 私たちは、こうしたインクルーシブなアプローチをとっているPADIメンバーをより広く知らしめたいと考えています。ダイビングにおけるコミュニティの重要性を認識し、ソーシャルイベントやツアーを企画することで、すべての人にアドベンチャーに参加する機会を創出することができるのです。PADI アダプティブ・サービス・ファシリティになるための手続きを開始するには、[email protected] までご連絡ください。ビジネス拡大のために今すぐ始めましょう。

an adaptive diver and a fully able diver pose for a selfie underwater

どのようなサポートが受けられますか?

認定基準をすでに満たしている場合でも、これから始める場合でも、担当のリージョナル・マネージャーまたは私 ([email protected]) にご連絡ください。私たちは、あなたのビジネス目標、既存のサービスやインフラをよりよく理解し、認定基準を満たすようにあなたのサービスを開発するためのサポートを提供します。PADIアダプティブ・トレーニングの機会は何年も前から存在していましたが、近年になってようやく世の中が追い付き、この巨大な潜在的旅行者や冒険家の市場が注目され始めました。つまり、以前は制限されていると思われていた目的地へのアクセスが、すべての人に開かれつつあるのです。今、行動することで、あなたもインクルーシブ革命の一翼を担うことができるのです。個人的な話になりますが、30年以上前、ダイビングは私の人生を大きく変えました。たった1日で、私は家から出られない人間から、再び自分自身を見つけ、変化のために戦うことに専念する人間になったのです。そして、私は一人ではありません。https://www.padi.com/adaptive-service-facilitiesをぜひご覧ください。海によって変えられた人生のストーリーや、現在のアダプティブ・サービス・ファシリティのネットワークを確認することができます。

今すぐアダプティブ・サービス・ファシリティの認定を申請しましょう。あなたのビジネスだけでなく、他の誰かの人生も変えるかもしれません。

(日本国内での導入時期は未定です)


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