英語が苦手でも大丈夫!仕組みと工夫で広がる新しい顧客層。

インバウンド市場は大きなビジネスチャンス

2024年、訪日外国人観光客(インバウンド)は約3,300万人に達し、コロナ禍前の水準を回復しました。韓国、台湾、中国、アメリカ、オーストラリアなどからの旅行者が多く、1人あたりの平均消費額は約21万円超。アクティビティや体験にもしっかりとお金を使う傾向が強まっています。

特に注目されているのが「日本ならではの自然体験」や「アクティブな観光」であり、スクーバダイビングは今まさにインバウンドのニーズに合致したアクティビティとなっています。

インバウンド客はどこでダイビングを探している?

訪日旅行者は、OTA(オンライン・トラベル・エージェンシー)を通じて体験を検索・予約するのが一般的です。ダイビングショップが日本語で活用できる主なOTAは以下の通りです。

  • PADI Adventures
     PADI公式の予約プラットフォームで、欧米圏の旅行者に強いのが特徴。日本語での商品登録が可能で、自動翻訳や決済処理もPADI側で対応してくれます。
  • アクティビティジャパン
     アジア圏(特に韓国、台湾、香港など)からの旅行者にも人気の日本発のOTA。商品登録は日本語で行え、掲載内容は自動で多言語翻訳されます。

これらOTAに1商品でも登録するだけで、世界の旅行者にショップの存在をアピールできます。

英語ができなくてもインバウンド対応は可能

「英語が苦手」「言葉の壁が不安」という理由でインバウンドを敬遠しているショップも少なくありません。しかし現在は、“話せなくても伝えられる”仕組みと工夫が整ってきています。

  • 通訳の活用は双方にとってメリット大

最近では、専任または外部手配の通訳を活用してインバウンド対応を行っているPADI登録店も増えてきています。通訳がいることで、安全説明やブリーフィングがスムーズになり、お客様の安心感も高まります

また、通訳がいることでスタッフ側のストレスも大きく軽減され、トラブルの未然防止にもつながります。

通訳は外国語が堪能な既存の常連客の方にお願いするケースも多く見受けられます。

そして注目すべきは、多くの旅行者は通訳によって発生する追加料金を「必要な価値」として受け入れているという点です。「安全」「安心」「快適さ」に関しては、費用を惜しまない傾向があり、むしろ通訳の存在が選ばれる理由になることもあります。

  • 翻訳ツールも活用できる

Google翻訳やポケトークなど、スマートフォンで使える翻訳アプリも進化しており、基本的な会話やトラブル対応においては十分に活用可能です。スタッフ間でこうしたツールの使い方を共有しておくだけでも、大きな助けになります。

トラブルを防ぐために「準備」も大切

インバウンド対応において重要なのは、事前にルールや注意点を明文化しておくことです。

  • ブリーフィング内容や持ち物、当日の流れ、キャンセル規定などを文章にまとめる
  • それをChatGPTなどを使って英語・中国語・韓国語に翻訳して資料化しておく
  • OTAに掲載する際は、予約は○日前まで受付など余裕を持った期限を設定し、通訳手配などが間に合うようにする

こうした事前準備により、誤解やトラブルのリスクを大幅に減らすことができ、結果的にスタッフの精神的負担も軽くなります。

英語が話せる人に絞るという選択肢

「いきなりすべて対応するのは不安…」という場合は、“英語が話せる方のみ対象”と明記した上で受け入れるのも一つの方法です。

この場合、対応がしやすいだけでなく、旅慣れたマナーの良い層に絞られる傾向があり、現場での対応もスムーズになります。

特に欧米圏や韓国・台湾の旅行者には、自身もダイバーであり、コミュニケーション力の高い旅行者も多く、トラブルも少ない傾向があります。

小さな一歩が、新たなビジネスチャンスに

インバウンド対応は、何も“いきなり英語で接客すること”ではありません。

  • OTAに1商品だけ登録してみる
  • 英語対応できる日だけ募集をかけてみる
  • 通訳や翻訳ツールを準備してから試験的に受け入れてみる

こうした「小さなスタート」こそが、今後の大きなビジネスの入口になります。

最後に

世界中のダイバーは、「日本で潜る」という特別な体験を求めています。PADI Adventuresやアクティビティジャパンのような仕組みを活用すれば、英語が苦手でも、今すぐインバウンド対応を始めることが可能です

まずは、自分たちに合った形で「できるところから」始めてみませんか?
一歩踏み出せば、新しい顧客層とつながる未来が待っています。


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