PADIプロメンバーの皆さまへアンダーシージャーナル2023 Q1トピックスの掲載をしています。ピックアップには #USJ2023Q1 とタグ付けします。今後読み直す際には、検索欄にこのハッシュタグ(#USJ2023Q1)を入力し検索してください。

海の保護を志す人の育て方

すべてのダイバーに自然保護意識を定着させることは、最初の一歩が大切です。

BY EMMA DAFFURN, PADI CORPORATE SOCIAL RESPONSIBILITY SPECIALIST

新しいダイバーに水中世界へ快適に入ることを教えることは、まったく新しい視点を生み出し、人々の地球に対する見方に影響を与えることになります。1966年以来、PADI®は約3,000万人のダイバー認定証を発行しており、PADIプロフェッショナルは、世界最大の海洋大使のグループとなっています。PADIプロフェッショナルの皆さんは、海洋保護意識を身につけることで、水中世界に直接的な利益をもたらし、人類が海洋とバランスをとりながら生活する未来に貢献することができるのです。

ダイビングを教えることは、人々に水中世界を見せることであり、環境保護を促すことになりますが、環境保護の最良の実践モデルを模範的に示すことは、影響力を拡大します。PADI Freediving Instructor™(FDIT – 175213)、PADI Mermaid Instructor Trainer™、そしてPADI Mermaid アドバイザリー・ボード・メンバーである Julie Ferrara氏は、「私は教育者なので、地元の人々や旅行者に、変化をもたらすために簡単にできることを教えようと決意しました」と語っています。「私は、特定のライフスタイル<自分自身と地球を大切にする健康的な生き方>の模範となるよう努力しています。

PADIの教材には、自然保護の考え方がたくさん盛り込まれているので、PADIプロとしては、これをベースに、各ダイバーの海洋環境と自然保護の必要性について理解を深めていくだけです。カナダ、モントリオール大学の獣医学部で教授を務めているPADI Master Scuba Diver™ TrainerのMichèle Doucet氏 (MSDT – 381406) はこう語っています。「私たちの科学ダイビングと市民科学プログラムでは、すべての初心者生徒ダイバーに、認定スクーバダイバーになることで得られる独自の特権の概念を浸透させることが目的です。水中世界の美しさと驚異を見たり感じたりする特権を持つのは、世界の住民のごく一部であり、その特権にはレクリエーション・ダイバーとしてそれを保護する責任が伴う、という考えを私は支持します。」

情熱を共有する

行動に影響を与えるには、あなたの情熱から始まります。「どんなインストラクターでも、自分の”身近な場所”とそのユニークさについて話すことで、新しいダイバーを刺激することができます。」と、PADI AWARE™プログラム・オペレーション・コーディネーター、Juanita Seinoは言います。「なぜそれがあなたにとって特別なのでしょうか?」

世界のどの場所と何が違うのか?地域の問題は何なのか?新しいダイバーは、あなたのことを尊敬しています。そして、自分たちがどのように変化をもたらすことができるのか、地元の保護活動に参加することができるのか、彼らと話し始めることができるのです。

浮力に注目する

ダイバーなら誰でもできる効果的な行動のひとつは、海洋生物を偶発的なダメージから守るために、自分のスキルに集中することです。「中性浮力は、オープンウォーターコースの間、そしてそれ以降も習得すべき重要なスキルであることを最初から理解させることです。」と、PADIリージョナル・トレーニング・コンサルタントであり、プラチナCourse DirectorのJosh Childress氏(CD – 498672)は言います。「私はいつも、Peak Performance BuoyancyコースをOpen Water Diverコースに組み込むことに重点を置き、私の生徒には、Peak Performance Buoyancy認定を取得するために、認定後に1本余分に潜らせるようにしています。より良いダイバーになる方法だけでなく、よりコントロールしやすく、周囲の環境に配慮したダイバーになる方法を理解するためにも、新人ダイバーには欠かせないスペシャリティ資格なのです。」

Open Water Diverコースでは、浮力スキルの開発に多くの時間を費やし、その理由を強化することで、海洋生物の脆弱さを理解し、敬意をもって観察できるダイバーを育成します。そして、この理解を今後のダイビングに生かし、他のダイバーにも影響を与えるのです。

two divers swim over a coral reef in Curacao

意識することを教える

環境のベストプラクティスや浮力スキルのトレーニングだけでなく、より幅広い保護活動を生徒に紹介し、参加させるために利用できるリソースに精通していることが重要です。そこで、PADI AWAREコースの出番です。

Reef-World Foundationによる2022年の調査では、調査対象となったレクリエーション・ダイバーの83%が、海洋生物の保護方法について、より多くの教育を求めていることがわかりました。「Discover Scuba® DivingとPADI Open Water Diverプログラムにおいて、PADI AWAREコースと地元の経験に関する情報を含むインタラクティブな学習が、生徒の優先順位に著しい違いをもたらしていることがわかりました。」と、アメリカ・フロリダ州キーラーゴのPADI Five Star IDC Silent World Dive Center(S – 2061)のPADI IDC Staff Instructor、Shelby Jackman氏(IDCS – 400179)は語っています。「私たちのダイバーは、ただ潜るだけでなく、ファンダイブ中に、Dive Against Debrisダイブで海の清掃をしたり、魚やサンゴの保護を調査したりと、保護活動を行うために戻って来ています。」

Project AWARE Specialist、Dive Against Debris®、Shark Conservation、Coral Reef Conservationを含むPADI AWAREコースをリンクさせることは、エントリーレベルのコースで保護活動を導入し、潜在的な新規顧客に対して際立つ独自のセールスポイントを提供する簡単な方法です。「初日からAWARE Specialistのプラットフォームを使うことで、ダイバーの心にこれが重要であることを刻み込みます。」とChildress氏は言います。「オープンウォーターダイブワンやそれ以降の水中で、私は常にそのテーマにリンクさせています。」

例えば、ダイビングのブリーフィングに「今日は○○の野生動物が見られるかもしれませんが、○○のゴミも見られるかもしれません。もし、ダイバーがこの状況を変えるためにどのように回復の役割を果たせるか興味があれば、後で私に話してください」と付け加えるのは簡単です。このとき、世界最大の海洋ゴミのデータベースと、PADI AWARE Foundation™へのデータ収集・報告への参加方法について話を始めます。このプログラムは、すでに200万個以上のゴミを除去し、2つの先駆的な科学的研究に貢献しています。どちらも、廃棄物管理政策を前進させ、プラスチックやその他の廃棄物の海洋への流入を食い止めるために重要です。

「ダイビングコミュニティは、波の下で何が起こっているかのデータを報告するために必要なスキルを持つ唯一のコミュニティです。」とPADI AWARE Foundationの政策・キャンペーン担当アソシエイトディレクター、Ian Campbell氏は言います。「海洋ゴミの問題について、確かな科学的証拠がなければ、政策立案者は必要な決定を下すことができません。ダイバーは重要な役割を担っているのです。」

a man shows to other people the Green Fins sign in a dive center

もっと頑張る

Reef-Worldの調査では、調査対象となったダイビング旅行者の95%(およびダイブプロの76%)が、ダイビング事業者はもっと努力するべきだと考えており、76%のダイビング旅行者が、持続可能なオプションのためにもっとお金を払ってもよいと回答していることもわかりました。このことは、世界中のダイブショップやプロフェッショナルが、たとえコストがかかったとしても、より持続可能な方法を追求することで、新しいビジネスを獲得し、成功し、業界の長寿を保証する機会を与えています。

メキシコのカボサンルーカスにあるPADI Five Star IDC Dive Ninjas Expeditions(S – 27042)のオーナーであるPADI Master InstructorのJason Cluen氏(MI – 337709)は、エコツーリズムと環境教育に焦点を当てている語っています。「それは、より多くの人々に行動を起こさせるための有効な手段です。」と、彼は言う。「例えば、世界のサンゴ礁観光は、年間360億ドル(約3.6兆円)以上の売上があると言われていますが、これは海底の1パーセントにも満たない生態系によるものです。もし、この収益のほんの一部でも、海洋研究と保全活動のために活用できる方法があるとしたら、想像してみてください。」

Cluen氏によると、センターのいくつかのプロジェクトでは、収益の最大50パーセントを地元の研究・保護団体に寄付していて、他の人にもこのようなことができることを見てもらい、独自のプログラムを作り上げていってほしいと願っています。こうすることで、ゲストや生徒に海について教え、海を守るためにどうすればいいかを教えるだけでなく、地域の生態系に良い影響を与え、海洋研究を促進することができます。

ダイバーやダイブ・プロフェッショナルがグリーンウォッシング(製品やサービスがいかに環境に優しいかを誇張すること)を避けるために、全く新しい店舗呼称「PADI Eco Center」が2023年半ばにデビューする予定です。この格付けは、持続可能性や保全活動に取り組むダイビング事業者を促進するもので、環境意識の高いダイバーへのプロモーションがしやすくなります。このステータスの規準は2つあります:

  1. PADI AWAREのAdopt the Blueプログラムへの参加 – 世界最大の水中サイトのネットワークを構築し、地域の保護活動を推進し、世界に影響を与える。
  2. 環境影響評価システム「Green Fins」のシルバーランクメンバー以上に保つことで、お客様の状況に合わせたアクションプランと追跡機能が組み込まれます。

これらの取り組みに参加することで、ダイビング事業の環境への取り組みが独自に評価され、PADI Eco Centerの表彰を獲得することができます。

「President and CEO of PADI WorldwideであるDrew Richardson氏は、「PADIプロになることは、何を得るかということではなく、地球上で探求、育成、発見、癒し、保護、繋がり、変革、ロールモデル、影響、インスピレーションを与えるという私たちの団結力によって、何を行い、何を与えるかという力を与えてくれます。」と語っています。

PADI CEO talks about ocean conservation during the World Ocean Summit in Lisbon, Portugal


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