ダイビングの世界において、「口コミ」はダイブショップが新規顧客を獲得する最も重要な要素です。エントリーコースを受講するお客様は、潜在顧客を引き寄せるソースでもあるのです。

研究によると、友人・家族からの紹介から購買行動に至る可能性は、有料広告より50倍も高いことが分かっています。新規ダイバーの「感想」は、どんな広告よりも説得力があり、有効性が高いです。米企業ガートナーの調査によると「営利目的のない、純粋に相手のためを思う人からの紹介は、どんなものよりも効果的に購買決定を早める」という結果が出ています。

そして、もうひとつ興味深いデータがあります:

「83%の人は、紹介することに抵抗を持っていないが、実際に紹介したことがあるのは29%のみ」であること。ご自分のお客様に知人を紹介してもらうには、きっかけを与えなくてはなりません-すなわち「ダブルサイドリファーラル」です。

ダブルサイドリファーラルとは?

ダブルサイドリファーラルとは、紹介する側と、紹介される側の両方にインセンティブを与えるリファーラル(紹介施策)です。過去10年間、Airbnb、Dropbox、Uberなど様々な企業がダブルサイドリファーラルを通して、著しい成長を遂げました。皆様も、友達を紹介してくれるダイバーと、その友達の両方にインセンティブを与える施策を考えてみてはいかがでしょうか。

例えば、以下のようなキャンペーンが考えられます:

  • PADIオープン・ウォーター・ダイバー・コースを受ける友人をすすめてくれたダイバーに5000円相当の買い物券をあげる
  • その友達も5000円相当の買い物券がもらえる

このようなキャンペーンを応用すれば、既存のお客様が周りの友だち・家族・知人に、コースをすすめやすくなります。「自分だけが得をする」という罪悪感がなくなり、相手の利益にもつながり、相手のためになると思えるからです。

コスト効果の最大化を図ろう

American Marketing Association (AMA)によると、お友だち紹介キャンペーンによって獲得したお客様は顧客生涯価値が高く、他の顧客よりロイヤリティと年間利益度が高いことが分かっています。

また、お友だち紹介キャンペーンはコスト管理にもつながります。

Facebook、Instagram、およびGoogleに広告を掲載するダイブショップの数が増えるにつれて、オンライン広告の価格は上昇しています。現在、オンライン広告の費用はインフレの5倍の速さで増加しています。そういった中で、オンライン広告を信用しているユーザーの割合はわずか三分の一。しかし知人の紹介を信用する割合は92%にも上ります。そのため、決してオンライン広告に頼る必要はありません。

お友だち紹介キャンペーンのよくある間違い

  • インセンティブに魅力がない

1000円割引などの小さなインセンティブには効果がありません。見込み客へのインセンティブは、最低価値5000円のものを用意しましょう。現金ではなく、コース・器材の割引券や、お店の売上に繋がるものがよいでしょう。

  • キャンペーンの内容が複雑すぎる

キャンペーンの内容は100文字ほどで簡単に説明できる、分かりやすいものにしましょう。器材やコースの指定など、さまざまな制約を課すと、紹介を断れる可能性が高まります。

  • 時期設定がない

キャンペーンの効果を最大に発揮するためにも、時期設定を考えましょう。紹介人数が多すぎると感じる場合は、オフシーズン限定にするなど、時期の限定を設けましょう。また、紹介する可能性が高いのはコース終了後の30日~45日以内であることがわかっているので、期間を設定するのも効果的です。

この記事は、2019年7月30日にPADI PROSに投稿された内容を日本語訳にしたものです。

 

 

 

 

 


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